【LJL 2020 SUMMER SPLIT Week 1 Starters】
DetonatioN FocusMe(@teamdfm)
TOP: Evi(@ebihuryahurya)
JG: Steal(@DFM_steal)
MID: Ceros(@trollceros)
ADC: Yutapon(@yutapongo)
SUP: Gaeng(@Gaeng_lol)#DFMWIN #LJL2020 pic.twitter.com/8koulBduyw— LJL (@Official_LJL) June 11, 2020
リーグ・オブ・レジェンド(LOL)の日本プロリーグことLJLで長年、王者として君臨するチーム、Detonation FocusMe(DFM)。
4大会連続で国内大会を制し国際大会でもワイルドカード地域屈指の強豪チームと認識されてきたDFMですが、「LJL 2020 Spring Split」では新興チームであるSengoku Gaming(SG)に国内のBo5では2年ぶりに負けるなど、DFM1強という構図に陰りが見え始めています。
エルダードラゴンを獲得し、ネクサスを破壊してGame 5に勝利したのはSGとなりました!Finals進出おめでとうございます!(#LJL2020 Playoff Round 2 Match 1 Game 5) pic.twitter.com/YtOYoqqxRl
— LJL (@Official_LJL) March 28, 2020
DFM・SGそしてSpring Splitで3位に入ったV3 Esportsを加えて「3強」と称されることも少しずつ増えてきており、ますますLJLが面白くなってきたところです。
一方、2020年シーズンのDFMの負けた試合についてドラフトに着目すると、浮かび上がってきたことがあるので今回はそれを考察していきます。
・DFMがチーム全体として「エンゲージ・イニシエートをGaeng選手に依存している」
・ドラフト傾向を変えないのは世界を見据えてのチャレンジ?
負けた試合はサポートチャンピオンに非エンゲージタイプをPickしている傾向が高い
集団戦に勝利しネクサスを破壊!エースを獲得しGame 2に勝利したのはV3となりました!(#LJL2020 Summer Week 3 Game 2) pic.twitter.com/zUCKj9tG6j
— LJL (@Official_LJL) June 28, 2020
2020年シーズンのDFMが負けた試合のドラフトでサポートチャンピオンのPickだけを抜き出してみましょう。(2020年6月30日現在)
ラウンド | 対戦相手 | サイド | サポートチャンピオン | 備考 |
Spring | Sengoku Gaming | Red | カルマ | |
Spring | V3 Esports | Red | セナ | ※セナサポートでADCのYutaponはノーチラスをPick |
Spring Playoffs Round2 | Sengoku Gaming | Blue | ラカン | |
Spring Playoffs Round2 | Sengoku Gaming | Blue | タム・ケンチ | |
Spring Playoffs Round2 | Sengoku Gaming | Blue | タム・ケンチ | |
Spring Playoffs Round2 | V3 Esports | Blue | カルマ | |
Spring Playoffs Finals | Sengoku Gaming | Blue | カルマ | |
Summer | Sengoku Gaming | Red | マオカイ | ※ADCのYutaponは断食セナ |
Summer | V3 Esports | Blue | タム・ケンチ |
負けた試合でサポートのGaeng選手がPickしていたのはカルマ、セナ、ラカン、タム・ケンチ、マオカイの4体のチャンピオンです。特にカルマ、タム・ケンチではそれぞれ3度ずつ敗れています。
DFMの2020年シーズンの勝率は現在のところ24勝9敗の73%でしたが、この2チャンピオンに限ると
チャンピオン | 勝敗 | 勝率 |
カルマ | 0勝3敗 | 0% |
タム・ケンチ | 2勝3敗 | 40% |
と非常に苦手としていることが明らかです。
ここから浮かび上がることは、
DFMが負けた試合はGaeng選手がエンゲージ・イニシエートスキルを持つような集団戦向きのチャンピオンをPickしていない
ということです。ラカンは非常に強力なイニシエートスキルを持つチャンピオンのため例外にはなりますが、カルマ、タム・ケンチなどはどちらかといえば「パッシブ(受け身)」なチャンピオンで、集団戦よりもポークや小数戦に向いたチャンピオンです。Gaeng選手は本来、ノーチラスやスレッシュ、バードのような自分から仕掛けられるチャンピオンを非常に得意としています。そのGaeng選手の良さがパッシブなチャンピオンをPickしたときに生かせていないように思えます。
これはGaeng選手のチャンピオン習熟度の問題というよりも「DFM全体がエンゲージ・イニシエートをGaeng選手に依存している」からでしょう。
集団戦のパフォーマンスではキャリーラインのYutapon選手やCeros選手のパフォーマンスがどうしても目立ってしまいますが、その集団戦のイニシエートを担っているのはGaeng選手であることが殆どです。カルマ、タム・ケンチではそのようなプレイはなかなか難しくDFMが苦戦している要因となっているように感じます。
DFMがドラフト傾向を変えないのは世界大会を見据えているから?
ネクサスを破壊し勝利したのはDFMとなりました!(#LJL2020 Week 3 Game 4) pic.twitter.com/kdSLxdMxTg
— LJL (@Official_LJL) June 28, 2020
このあたりのDFMの課題は視聴者からも指摘されることが多く、またデータとしても表れていることからDFMのコーチ・サポートスタッフが認識していないなんてことはありえないでしょう。SpringからSummerまでの1ヶ月で時間もありました。春のもう一つの課題であったドラゴンをあまり重視しないことは大きく修正していますが、ドラフト傾向は変わらないように感じます。
ここから窺えるのはDFMは世界大会を見据えて試しているという仮説です。
このメンバーでプレイするのも4シーズン目に突入しチームの習熟度もピークに達しています。そんな中で自分たちがこれまで勝ってきた構成ではなく新しい構成にチャレンジすることで、世界大会時のBan&PickでDFMの武器を潰されたときの対応策を準備しているのではないでしょうか?
そのため、シーズン中の敗戦はそこまでは大きな影響を及ぼすことではなく、大事なのはプレイオフ以降かと思います。
今後のDFMのドラフト傾向がどのように変わるのか、もしくは変わらないのかを注視していきたいです。