注目キーワード
  1. コナン
  2. モンスト
  3. LOL
名探偵コナン・League of Legends・モンスターストライク・将棋・東京ヤクルトスワローズ・お酒などの情報・感想の掲載サイト

【コナン】映画「純黒の悪夢(ナイトメア)」のラストのコナンの台詞に込められた想い

劇場版名探偵コナンシリーズの20周年記念作、「純黒の悪夢(ナイトメア)」は第13作の「漆黒の追跡者(チェイサー)」以来、7年ぶりに黒の組織との対決を描いた作品です。ゲストキャラクターとして登場した「キュラソー」は組織のメンバーであるにも拘わらず、少年探偵団と交流を深めたことにより改心し最後は己の命を呈してコナンらの身を守りました。この行動には多くの視聴者・ファンが感動し、見終わった方からは「キュラソーには生きててほしかった」との声が多く聞かれました。

一方でラストシーンでキュラソーの遺品となったイルカのキーホルダーをみたコナンの

「思い出だよ。黒こげになっちまったけどな」

との発言が一部の方に

「どや顔でかっこつけてる」、「キュラソーへの感謝がたりない酷い発言」など評されていました。

コナンの信念やこの発言の真意が伝わっていない一部の方にはかなり誤解を生んでいるようなので、コナンファンとしては何とかコナンを援護したいなと思い、今回はなぜあのような発言に至ったのかを解説したいと思います。

・コナンの信念は「助けられる命はたとえ相手が悪人だろうが助ける」
・コナンには自殺する犯人を止められなかったトラウマがある
・コナンの発言の真意はジンら黒の組織への怒りと自分自身への怒りと後悔
スポンサーリンク

あらすじ

まずは簡単にストーリーを振り返ります。

組織のメンバーであるキュラソーは警察庁からNOCリストと呼ばれる世界の諜報機関の潜入者リストを盗み出します。それを阻止しようとした安室・赤井の追跡を受けますが神がかり的な車の運転技術により逃れることに成功します。しかしその過程でケガを負ったキュラソーは記憶を失ってしまいます。そのキュラソーを保護したのが少年探偵団です。

記憶を失ったキュラソーは優しい性格をしており少年探偵団ともすぐに仲良くなりました。その過程でダーツゲームに挑戦しゲットしたのがイルカのキーホルダーです。キュラソーが手に入れたのは真っ白なイルカのキーホルダーでスタッフ曰く「自分の好きな色を塗って楽しんで」とのことでした。

そして物語が転換しキュラソーは記憶を取り戻しますが、組織の命令に逆らい観覧車に残された子供たちの救出を優先した結果、ジンは観覧車もろともキュラソーらを葬ろうと動きます。

赤井・コナン・安室らの働きによりジンを追い返すことには成功しますが、観覧車は軸から外れ沢山の人が避難していた水族館の方向に転がり始めます、しかし、キュラソーが自身の身体を呈してにクレーン車を観覧車にぶつけて停止させることで被害を食い止めることに成功しました。

これが本映画の簡単なあらすじです。

前述のコナンの発言はキュラソーの遺体が警察により運び出される時に担架から落ちた黒焦げの物体を「(NOCリスト)が入った記録媒体ではないか?」と考えた公安警察の風見に対してのものです。

スポンサーリンク

コナンの信念と発言の真意について

コナンを映画シリーズのみ楽しんでいらっしゃる方にコナンの信念をご紹介します。それは

「犯人であっても助けられる命は助ける」

です。原作エピソードでも自殺しようとした犯人を先手を打って阻止したり、階段から転落しそうになった殺人鬼を引っ張り上げるなど、これまでもコナンは犯人の命を助け続けてきました。そこには

「人が人を助けるのに論理的な思考は存在しない」

と、とっさの行動で理由はないとのニュアンスの発言もしていますが

「推理で犯人を追い詰めて、みすみす自殺させしまうような探偵は、殺人者と変わらない」

との発言もしています。また、実はコナンは過去に1度だけ自殺する犯人を止められなかったことがあり、その時の動揺と後悔はコナン自身のトラウマとして今も残り続けているほどです。

これらのエピソードによりコナンは「助られる命は罪人・悪人であっても助ける」を信念としていることが分かります。

今回の映画でコナンは、圧倒的な身体能力と記憶力を見せるキュラソーを「黒の組織のメンバーではないか」と疑っていました。その疑惑はジンら黒の組織メンバーがキュラソー奪還に動いたことで核心に変わります。しかしキュラソーは前述の通り自身の命を呈して大勢の人を守りました。その行動はコナン自身が目撃しています。

そして遺体となり運ばれるキュラソーを見たコナンには2つの感情があったでしょう。

1つは当然、ジンら黒の組織メンバーへの怒りです。

蘭や少年探偵団・居合わせた人々はもちろん、仲間であったキュラソーまでも葬ろうとした行動はコナンからすれば到底許されるものではありません。これまでも組織に対して何度も激しい怒りを示したこともあり、この時のコナンの怒りは察するに余りあるものがあります。

もう一つは自分自身への怒りと後悔です。

前述の通りコナンの信念は「助けられる命は罪人・悪人であっても助ける」です。悪人ですら助けるコナンがそれ以外の人物を助けられなかったとしたら、その後悔と怒りは計り知れません。実はTVなどではカットされるEDテーマ後のエピローグにて、キュラソーが命がけで少年探偵団を守った行動を「(少年探偵団)によって彼女の色も変わった」と評するなど、コナン自身はもはやキュラソーを悪人とも思っていないような発言までしていました。そんなキュラソーを助けられなかった自分自身に対しての激しい後悔と怒りが、このときのコナンの心中には渦巻いていたはずです。

この2つの要因が冒頭の「思い出だよ。黒こげになっちまったけどな」の発言につながっています。私自身この映画を初めて見たときに、この発言は「(自分のせいもあり)黒こげにしちまった」とのニュアンスが含まれた発言だと自然と解釈しました。声優の高山みなみさんも、その様々な感情を声に込めていて流石だなと思いました。

この辺りのコナンの信念やエピローグのカットにより、一部の方が誤解されたのかなというのが私の感想です。少しでもそういう方の誤解が解ければ幸いです。

まとめ

キュラソーは声優を務めた天海祐希さんの熱演もあり組織メンバーとしては屈指の人気キャラクターとなりましたが、原作者の青山剛昌先生から死亡が明言されており、今後も再登場することがないキャラクターとなってしまいました。劇場版名探偵コナンシリーズでは唯一のバットエンドとも評される本作ですが、原作ファンから映画ファンまで楽しめる良作に仕上がっています。繰り返し見ることでいろんなことに気づけるスルメ映画の側面もあるので、みなさんもぜひもう1度見てみてください。

スポンサーリンク
最新情報をチェックしよう!