2021年4月16日に公開された劇場版名探偵コナンシリーズの最新作、名探偵コナン緋色の弾丸。みなさん視聴されたでしょうか?昨年公開予定だった本映画ですが、新型コロナウイルスの影響で公開が1年延期になったことから「紺青の拳」以来2年ぶりの新作となります。
私はこれまで5月1日の映画の日にいくケースが多かったのですが、本作は生まれて初めて公開初日に見に行きました!
今回は緋色の弾丸の感想を書いていきたいと思います。念のためネタバレを含みますので未視聴の方はご注意ください。
緋色の弾丸のあらすじ
念のため、あらすじを簡単に振り返ります。といってもこの記事を読んでいる方はあらすじなんて知ってるよって方がほとんどだと思いますが。。
本作は世界最大のスポーツの祭典「WSG-ワールド・スポーツ・ゲームス-」が東京で開催されることに合わせて開通した「超電導リニア」が物語の舞台になります。超電導リニア開通を祝う記念式典の会場にて蘭の親友、鈴木園子の父であり日本を代表する財閥である鈴木財閥の会長、鈴木史郎が何者かに誘拐されます。事件自体は少年探偵団(というかコナン)の活躍によりすぐに解決しましたが、コナンは赤井秀一からこの事件が10年以上前ににアメリカで起きた事件と酷似していることを聞かされます。
次に狙われるのは自動車会社CEO兼社長のジョン・ボイドであると推理したコナン・赤井らはリニアの始発駅である名古屋へと向かい、ジョンの警護にあたります。また赤井の妹である世良真純やその母、メアリー世良(領域外の妹)も何らかの思惑をもち名古屋へと向かっていました。
同じ頃、赤井の弟である羽田秀吉も対局場の下見として名古屋に赴いており、またその交際相手である宮本由美警部補も同行していました。
こうして赤井一家が名古屋に集結したそのとき、物語が動き始めます。
感想①ゲスト声優:浜辺美波さんの上手さに感心
まず1つ目の感想はゲスト声優の浜辺美波さんの演技の上手さです。これまでのコナンのゲスト声優は柴咲コウ、天海祐希、福士蒼汰、榮倉奈々など数々の有名俳優が務めてきました。浜辺美波さんはまだ20歳という若さで、最初にゲスト声優と聞いたときは正直「大丈夫かな」と思ったのですが、実際に劇場内でみると非常に良かったです。もちろんプロの声優さんと比べると演技が少し違うのですぐに浜辺さんが演じているキャラが分かるぐらいの小さな違いはありましたが、演技自体はとても自然で役に溶け込んでおり非常にぴったりだったと思います。
コナンの登場人物の中でも犯人を演じるのは非常に難しいです。最初は温和なキャラだったのに犯人であることがバレると豹変して性格が一変、残忍さが全面にでるキャラも少なくありません(代表的なのは14番目の標的の沢木公平でしょう)。それを芸能人のゲスト声優に演じさせるのは個人的にはあまり好きではなく、業火の向日葵とかは特に残念に感じました。ネタバレにはなりますが今回、浜辺さんが演じたのは犯人でも被害者でもない中立なキャラだったのでキャスティングも非常に良かったと思います。
感想②中盤のわくわくさは歴代でも屈指
本作は赤井一家集結!とのキャッチコピーがついています。赤井一家は原作やTVシリーズのファンからすると馴染みのある存在ですが、劇場版シリーズのみ視聴されているファンからすればまだまだ認知されていない存在です。公開日当日の金曜ロードショーで公開された異次元の狙撃手とどこか似たテイストの映画になると予想されたかたも多かったのではないでしょうか?
ネタバレにはなりますが、ストーリー中盤での沖矢昴(赤井秀一の変装)と世良真純・メアリーのバトルシーンは燃えました。世良に自身の生存を隠す必要のある赤井ですが、その正体がバレるのではないか?めちゃくちゃヒヤヒヤして手に汗握る展開でした。
これまでの劇場版シリーズはif世界戦のような形で本編とは関連しない話として処理されるケースがほとんどのため、このような展開でも「どうせバレないんでしょ」と思いながら見ていたのですが、異次元の狙撃手の「了解」のような超絶サプライズ&原作のネタばらしといった本編においても重要なシーンが映画で描かれるケースも増えています。(から紅については明確に本編とリンクしていますしね)
なので今作でも本当に正体がバレるのでは?とドキドキが止まりませんでした。このあたりの演出やストーリーは異次元の仕掛けをうまく利用した素晴らしいものだったと思います。
感想③灰原哀の出番の多さに感動
コナンの一番の相棒とも呼べる灰原ですが劇場版シリーズではかなり不遇が続いていました。しかし、今作は第5作の天国のカウントダウン以来、久しぶりに灰原の出番が多かったのが個人的には大満足でした。その最大の要因は脚本家の櫻井武晴さんにあるでしょう。
櫻井さんがコナンシリーズの脚本を担当されるのは5作目ですが、ファンの間では灰原ファンではないかと噂される方です。その櫻井さんが赤井一家と併せて灰原をメインキャラクターに脚本を執筆されたのはストーリーを見るとよく分かりました。どちらかといえばコナンのことを思う女性としての灰原というよりは、コナンの一番の相棒である灰原を全面に出した印象ですが、コナンへの気持ちが随所にあふれておりとても良い脚本だったと思います。
今作は蘭は出番が少なかったですね。しかし赤井一家とのつながりという意味では灰原は重要なキャラクターですので、それも仕方ないと思います。
感想④終盤にはやや不満が残りました
個人的に中盤のドキドキが歴代屈指だったこともあり終盤の展開はやや不満が残りました。リニア関連はあれ以上にスペクタクルな展開には出来なかったと思うのでそこは仕方ないと思うのですが、真犯人を追い詰めた後のFBI(ジョディ捜査官)と犯人の対峙はリニアが一段落した後でありそこからEDテーマに入ったので、ラストの盛り上がりには欠ける順番だなと感じました。
あとはやっぱり赤井さんの活躍をもっと見たかったですね。赤井一家が強く意識されているため、かなり出番や活躍は等分されてしまった印象です。ラストのシーンはやっぱり赤井さんとコナン君の二人で解決するような展開がよかったです。ゼロの執行人が評価されている一番の理由はラスト15分のコナンと安室さんの共闘の素晴らしさにあると思うので、それを期待した私にはやや不満の残る展開でした。
感想⑤歴代で最も震える予告でした
さて、EDも終わりCパートでのメアリーと赤井の対峙を見届け「来年の予告みて帰るか」と油断したところ事件は起きました。詳しい内容は別記事にて触れますが。
震えました。比喩じゃなく本当に震えました。予告で震えたのは第20作の純黒の悪夢のお酒の演出、第22作のゼロの執行人のカウントダウン以来の3回目です。しかし、今回は震えと同時に感極まりました。しばらく席から立てませんでした。もう少しで泣く所でした。
今までの映画は予告みて「来年も楽しみだな」と思うのが殆どで、終わった後は本編の振り返りをして過ごすような映画が殆どだったのですが、今作は予告で本編の内容がすべて吹っ飛びました。「あぁ、この予告みるためにこの映画を見に行ったんだ」と思うレベルでした。それぐらい震えました。
どのような感じになるか分かりませんが来年が楽しみです。
まとめ:最終評価は並
まとめとして最終評価を。今作の私の感想としては並です。(名作>良作>並>凡作>駄作)
決して悪くはなかったですし面白いシーンも多々ありましたが、観に行く前の期待値が高すぎたの終盤の盛り上がりに欠ける内容から評価を落としました。異次元の狙撃手並みにもっと面白くなった可能性がある作品だと思ったのですが、、
ポイントは登場人物の多さですね。個人的に第10作の探偵たちの鎮魂歌はあまり好きじゃないのですが、それは登場人物が多くストーリーが薄く感じたのが要因でした。今作はストーリーの薄さというよりは登場人物の活躍が分散され盛り上がりの最高高度が低くなったのが残念だった印象です。
マイナス評価のように書いてしまいましたが、個人的には前作の紺青の拳よりは全然面白かったと思いますし、普通に楽しめました。映画館でみれて良かったなと思います。